今年は特に寒い冬ですが空気が乾燥している冬の間は特に手あれに悩む方が多い様ですね。
私共やなぎ堂漢方薬局のHPでも手あれの相談が多くなってきました。
そこで今回のかわら版では”手あれ”について特集してみました。

手の皮膚は他の部分と比べて皮脂腺があまりありません。
そのため冬の低温、低湿度の環境では皮膚の新陳代謝が低下して、汗の分泌も少なくなり
乾燥しやすい状態になりがちです。
又女性の場合、季節を問わず家事をする時お湯や合成洗剤などにより手の皮膚の油分や
セラミドなどの保湿成分が失われがちです。

手あれとは、主婦湿疹、手湿疹、進行性指掌角皮症等と言われ、
手、指、爪の周囲が痒み、ひび割れ、落屑等皮膚の荒れた状態
の事を言います。進行性指掌角皮症は、よく使う側の手、特に第1、2,3指
腹面の皮膚が乾燥して硬くなり、ザラザラしてきます。それから紅くなり、
落屑を示し、亀裂ができます。又指紋が無くなる事もあります。

水仕事の多い主婦に多い為、主婦湿疹とも呼ばれていたようです。
他に、調理師、美容師等、水、洗剤をよく使う仕事や銀行員等指先に
刺激が加わる人に多く見られます。

手、指では皮脂線が少ない代わりに角質層が厚いことにより、水分が保たれています。
しかし、洗剤や石鹸を使って水仕事をしたり、作業等で皮膚のバリヤーが傷つけられると、
角質が乾燥し、ひび割れ、痒み等の症状が起きてきます。
夏場より冬場悪化する人が多いようですが冬は乾燥している上、脂の分泌も少なく水が
冷たい為、お湯を使う機会が多いからです。
又男性より女性の方が脂が少ない為、女性に多く見られます。

最近では天然ゴムの中に含まれるタンパク質によるアレルギー(ラテックスアレルギー)や、
手袋製造時に使用する薬品アレルギーによる手あれも増えてきているようです。

●ゴム手袋等をして、直接水や洗剤に触れないようにしましょう。又ゴム手袋でもかぶれる
 人はゴム手袋の下に木綿の手袋をしましょう。

●お湯は水より脱脂力が強い為、なるべく使わないようにしましょう。

●水仕事等の後は保湿剤等塗りましょう。又油断するとすぐ再発する為、調子の良い時も
 保湿を心がけましょう。

手あれの治療方法で西洋医学ではステロイド外用剤や抗ヒスタミン剤などが使われますが、
続けて使うと副作用の心配も出てきます。
そこで最近では漢方薬を併用することも多くなってきました。

漢方で手あれは「血の病」が原因と考えられています。
「血の病」は「血」が体内で停滞、偏在する「血」の異常、すなわち『オ血(※)の証』と「血」が
不足する『血虚』の証と言うタイプに分けられます。

『オ血(※)』の症状は「手足の冷え」、「上半身、特に顏ののぼせ」、「生理不順」、
「生理痛」などに加えて「水」の異常からくる「むくみ」、「動悸」などの症状も診られます。

『オ血(※)』の証がある場合は「オ血」を改善する「駆オ血剤」を用います。
「駆オ血剤」と言われる漢方処方は「当帰芍薬散」や「桂枝茯苓丸」などがあります。
「当帰芍薬散」や「桂枝茯苓丸」は『オ血』を改善するだけでなく「水」の異常からくる「むくみ」、
「動悸」などの「水毒」症状も改善します。

『血虚』と言われる人は比較的体力が無い「虚証」と呼ばれるタイプの人が多いです。
『血虚』の症状は主に「顔面不良」、「皮膚の乾燥化」、「腹直筋のこわばり」、「生理不順」
などに加え「自律神経」、「ホルモンのバランスの崩れ」、「貧血」などの症状が診られます。

又、「血虚」の証がある場合は「血虚」を改善する「補血剤」を用います。
「補血剤」と言われる漢方処方は温経湯、四物湯、温清飲などが用いられます。
(※オ血=ヤマイダレ+於)

温経湯
(ウンケイトウ)

(第2類医薬品)
体力が無くて胃腸の弱い人で冷え症、月経不順、月経
困難症等があり、手足の火照り、唇の乾燥、足腰や
下腹部の冷え、のぼせ等のある手あれに用います。
麻杏ヨク甘湯
(マキョウヨッカントウ

(第2類医薬品)
中間証〜実証で指先が濡れたり、冷えたり等の刺激
により皮膚の血行障害となり、枯燥を起こした人。
頭にフケが多いと訴える人に良いようです。
加味逍遙散
(カミショウヨウサン)

(第2類医薬品)
疲労しやすく、肩こり、精神神経症状を訴え、貧血気味
で月経異常を伴うような人の手あれに用います。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(トウキシギャクカゴシュユショウ
キョウトウ)

(第2類医薬品)
虚証で冷え症、冬になると霜焼け、四肢末端の痛みや
冷感がある人の手あれに用います。
腰痛、頻尿を伴う事もあります。
桂枝茯苓丸料
(ケイシブクリョウガンリョウ)

(第2類医薬品)
中間証〜実証で下腹部の抵抗と圧痛があり、肩こり、
のぼせ、足の冷え等のお血に伴う症状のある人の
手あれに用います。
温清飲
(ウンセイイン)
(四物湯と黄連解毒湯の合法)

(第2類医薬品)
皮膚が黄褐色で乾燥して分泌物が少なく、痒みが強い人。
のぼせ、イライラ、熱感のある人が多いです。
四物湯の温で血行を良くし、黄連解毒湯の清で血熱を
冷まし、お血を去ります。
消風散
(ショウフウサン)

(第2類医薬品)
実証で痒みが強く、局所の熱感があり、湿潤のある人。
分泌物があり、痂皮も多く、地肌は赤味を帯びて、口渇を伴う事が多いです。熱を冷ます「石膏」を含みます。
十味敗毒湯
(ジュウミハイドクトウ)
(第2類医薬品)
慢性の発疹に使われる事が多く、患部の痒みが強く、
発赤のある人。解毒の効があり、体質改善の目的で
用いられる事もあります。
痒みの強い時、連翹を加える事があります。
◎以上が良く使われる漢方処方で 煎じ薬 1日分 約200円+税〜400円+税
                      粉末  1日分 約180円+税〜270円+税です。
重薬
(生薬名:ドクダミ)
(第3類医薬品)
全草にはイソクエルシトリン、クエルセチン等が含まれ
抗菌、解熱、解毒、消炎作用がある為皮膚疾患に
用いられます。

1日量約.10gを水600cc〜800ccで煎じてお茶代わり
に常用します。
重薬(全草)
500g 1,500円+税

重薬(箱)
5gX24パック 500円+税
重薬(粉末)
500g 2,000円+税
ヨクイニン
(第3類医薬品)
種子にはコイキセノライド、でん粉、タンパク質、
脂肪油等が含まれ、排膿、消炎、肌荒れ、滋養強壮
作用があります。
1日量約.10g〜20gを水600cc〜800ccで煎じてお茶
代わりに常用します。
ヨクイニン(種子)
500g 500円+税
ヨクイニン(粉末)
500g 1,000円+税
ヨモギ
(生薬名:艾葉)
(第3類医薬品)
葉にはモノテルペノノドのシネオールやアルカノイド等
が含まれます。収れん作用があり、冷え症にも効く為、
手あれに用います。
1日量約.10gを水600cc〜800ccで煎じてお茶代わり
に常用します。
ヨモギ(葉)
500g 1,000円+税

ヨモギ(粉末)
500g 2,000円+税
上記の薬草の価格は500gにて表示しておりますが、少量販売もしておりますので、ご希望の
場合はぜひ一度お問い合わせ下さい。
★紫雲膏: ・当帰、紫根、胡麻油、蜜蝋、豚脂が配合された軟膏です。
           ・当帰は排膿を良くし、皮膚をよく潤し、滋潤通和の剤で、
           ・紫根は解熱、解毒、殺菌の効があります。

          

(小)10グラム\350円+税  (中)20グラム\500円+税 (お得な大)80グラム\1,200円+税

★ビバエンチュレークリーム: 
            ・馬油、芍薬、アロエ、甘草、重薬、艾葉、黄柏などの潤いを与える和漢植物
             エキスが配合された軟膏です。
            

(小)10グラム\350円+税  (中)20グラム\500円+税  (お得な大)55グラム\1,200円+税

その人によって症状や体質は異なります。
あなたに合わせたオーダーメイドの漢方処方を調合します。
ぜひ一度やなぎ堂薬局にご相談ください。
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